「床ずれ」は、寝たきりだからできるわけではありません!
「褥瘡(じょくそう)」という言葉、聞いたことありますか?
医療や介護の仕事をしている人なら、一度は耳にしたことがあると思います。
でも、一般の方にはあまり馴染みのない言葉ですよね。
一方で、「床ずれ」という言葉なら聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は、この「床ずれ」の正式な名前が褥瘡(じょくそう)です。
漢字、難しいですね!一生の内で書くことなんてないでしょうね。
これを読めば、
「なぜ床ずれはできるのか」
「なぜ治りにくいのか」
「なぜ医療・介護ではこんなにも予防が大切なのか」
がすぐに理解できます!!
「床ずれ」は、皮膚のケガではありません。
例えば、映画館で3時間座りっぱなしだったとき、お尻が痛くなった経験はありませんか?
長時間正座をすると足がしびれることもありますよね。
あれは、同じ場所が圧迫され続けて血液の流れが悪くなっている状態です。
もし、その圧迫が何時間も、何日も続いたらどうなると思いますか?
皮膚や筋肉には酸素や栄養が届かなくなり、少しずつ傷んでしまいます。
これが褥瘡です。
つまり褥瘡は、「擦りむいた傷」ではなく、内側から組織が壊れていく病気なのです。
「寝たきりだからできる」は半分正解です。
「床ずれは寝たきりの人がなるもの。」
そう思われがちですが、それだけではありません。
実際には、
・自分で体を動かせない
・栄養状態が悪い
・皮膚が湿っている
・高齢で皮膚が弱くなっている
・病気で血流が悪くなっている
こうした条件が重なることで、褥瘡はできやすくなります。
皮膚が湿っているとか、不潔であるってことも非常に重要な要素です。
つまり、「寝ていること」が原因ではなく、
同じ場所に圧力がかかり続けること
が本当の原因なのです!!
だから「体位変換」が大切になります。
介護の現場では「2時間ごとに体位変換をしましょう」とよく言われます。
でも、その目的は向きを変えることではありません。
皮膚を休ませることです。
体重がずっと同じ場所にかかると、その部分は酸素不足になります。
少し体の向きを変えるだけでも血液が流れ始め、皮膚は回復する時間を得られます。
そのため、クッションやエアマットレスなどの体圧分散寝具も、褥瘡予防には欠かせません。
ほんとにあっという間に赤くなって、知らん間に色が悪くなって、ふかいふかーい床ずれになることが少なくないんです!
一度できると、治るまで時間がかかります。
褥瘡は、軽いうちは赤くなる程度ですが、悪化すると皮膚だけでなく脂肪や筋肉、場合によっては骨まで傷んでしまうことがあります。
そうなると、治療には何か月もかかることがあります。
そのため医療現場では「治療より予防」という考え方がとても大切にされています。
予防は、特別なことではありません。
褥瘡を防ぐために必要なのは、高価な医療機器だけではありません。
・長時間同じ姿勢にならない
・体圧を分散する
・皮膚を清潔に保つ
・しっかり栄養を摂る
・身体を少しでも動かす
こうした日々の積み重ねが、最も効果的な予防になります。
褥瘡は「皮膚の病気」ではなく、「生活の病気」です。
在宅医療に20年以上携わってきて感じるのは、褥瘡は皮膚だけを治療しても改善しないということです。
食事は十分に摂れているか(これめっちゃ大事)
介護する人は疲れていないか。
ベッドやマットレスは合っているか。
リハビリで少しでも身体を動かせているか。
こうした生活全体を見直して初めて、褥瘡は良くなっていきます。
だからこそ、医師や看護師だけではなく、リハビリスタッフ、管理栄養士、介護職、ご家族など、多くの人が協力して支えていくことが大切なのです。
最後に
「床ずれ」という言葉は知っていても、その仕組みまで知っている人は意外と多くありません。
褥瘡は、単なる傷ではなく、身体からの「このままでは危険ですよ」というサインです。
だから医療や介護の現場では、傷ができてから治すのではなく、「作らないこと」に最も力を注いでいます。
もし、ご家族の介護や入院、在宅療養に関わることがあれば、ぜひ今日の内容を思い出してください。
褥瘡は、正しい知識があれば防げる病気です。
そして、その小さな知識が、大切な人の生活の質を守ることにつながります。
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褥瘡を他職種で。わかりやすかったです。ありがとうございます
「床ずれは擦りむいた傷ではなく、内側から組織が壊れていく病気」という説明が非常に分かりやすかったです。映画館でお尻が痛くなる身近な例えがあるおかげで、同じ場所を圧迫し続けるとなぜ細胞が傷んでしまうのかが感覚的に理解できます。表面のケガではなく、内側の酸素不足という仕組みを知るだけで、予防に対する意識が大きく変わりますね。